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【カンヌレポート】滞在1・2日目/Lions Healthまとめ

2016.06.21

こんにちは。
クアドラのアシスタントプロデューサー、神(じん)です。
カンヌレポート第1弾は、18-19日と開催されたLions Healthについてご紹介します!

写真 2016-06-19 14 05 18 (Custom).jpg 2014年より新設された、「Lions Health」。
初年に日本の「MOTHER BOOK」がグランプリを受賞したことは
比較的記憶に新しいですね。


2015年新設の「lions Innovation」、そして今年新しく登場した「Lions Entertainment」と並び
通常のCannes Lionsとは独立した部門として開催されています。

ちなみにInnovation・Entertainmentは、通常の"Classic"パスで入場できるのに対し、
Lions Healthだけは、セミナー等を聞くためには、
"Complete(Classicより1000ユーロも高い!)"というパスが必要です。
ご注意ください!

それだけ、Healthというカテゴリは、1つの部門として特殊なもの、ということなのでしょうか。



そしてこちらがLiones Healthの会場。
メイン会場とは少し離れた場所にあり、この中でショートリストの展示があったり、セッションが聞けたり
ほとんどすべてのプログラムが行われています。
写真 2016-06-19 12 33 20 (Custom).jpg
中は比較的オープンな感じで、3~4個くらいのセッションが並行しています。

Cannes Lionsが始まる前からスタートし、Healthへの参加者自体が少ないので、
メイン会場と比べるとコンパクトでかなり穏やかな感じです。


「VR元年」といわれる今年らしく、VRとメンタルヘルスについてのセッションなどもありました。
health1.jpg

また、UNICEFがセサミストリートのキャラクターと行っている、教育支援に関する取り組みが紹介されていたり。
写真 2016-06-19 13 54 04 (Custom).jpg

クリエイティブやテクノロジーが
健康・教育などをはじめとする社会問題にどういった貢献ができるか、
ということが、セッションの一貫したテーマになっているように感じました。



18日の夜には、早速Lions Healthのアワード発表がありました。
発表は会場の中でも最も大きいホール"Lumier Theatre"で行われます。
021 (Custom).JPG

発表の前には、隻腕のピアニストNicholas McCarthyのオープニングパフォーマンス。
2016-06-21_085912_custum.jpg 時差ボケでぼーっとしていた頭も、
盛り上がってくるアワード感で、アドレナリンが出てきます!


Lions Healthは、応募作品の中から以下の3つのカテゴリでグランプリが発表されます。

・Pharma
 →医療関係者向けの施策が受賞対象
・Health&Wellness
 →一般向け製品や、健康に関する啓蒙などに関わる施策が受賞対象
・Grand Prix for Good
 →上記の2カテゴリは、ノンプロフィットとチャリティー系の案件は
  Grand Prixを受賞できないルールがあるため、
  ルールに関係なく全カテゴリーの中から特に優れたものが選出される(Grand Prixのみ)


各カテゴリのGrand Prixと、日本の受賞作品は、
こちらの記事で紹介しておりますが、
発表を見た中で、特に気になった作品をいくつかご紹介します!


■『ANTI-RIVAL VACCINE』(国:ブラジル/BANDSPORTS/OGILVY BRASIL)

こどもはみんな、ワクチン注射は嫌いなもの。
そこで、注射される部屋を自分の大嫌いなサッカーチーム一色に。
お医者さんもライバルチームのサポーター。
ライバルチームに対する憎しみで、注射の痛みを忘れさせよう、という
サッカー大国ブラジルならではの施策。




■『BREATHLESS CHOIR』(国:イギリス/PHILIPS/OGILVY & MATHER LONDON)

重度の呼吸器障害をかかえる人たちが、
トレーニングを受けアポロシアターでコーラスを披露するまでを追ったドキュメンタリー風映像。
プロフェッショナルな医療技術を使った施策が多くなるPhama部門で、
「Story telling」の力でクライアントの認知拡大とイメージ醸成を叶え、Grand Prixを獲得。




■『THE COLOR ALPHABET』(国:アメリカ/COLORADD/McCANN WORLDGROUP)

色盲により標識や信号が見えず、危険な目にあう人がたくさんいることを受け、
3原色とグレートーンをベースに、様々な色を識別できる記号を開発。
シンプルながら容易に導入可能なシステムを提案しました。




■『PREMONITION』(国:アルゼンチン/PREMONITION/DHELET Y&R LATAM)
子どもがお母さんに話かけるところから始まります。
最初はただ日常の出来事を話しているように聞こえますが、次第に・・・
淡々とした子どもの口調と相まって、とにかく聞いているうちにぞっとする映像です。




今年の受賞作品を見ていると、これまでにも言えることですが、
Lions Healthに一貫して見られる傾向として
1. 世界的に認知される課題に対しての解決を図っている(特に切迫度・影響力の高い問題)
2. シンプルなアプローチである
3. 感情に訴えかけるものである
があげられると思います。

広告色が無く、純粋な企業や団体のサービスも受賞していることが多いのは、
Lions Healthの大きな特長です。

その中でも、今年は「3. 感情に訴えかけるものである」
が意識的に選ばれたのかなと感じました。

Pharma部門の「BREATHLESS CHOIR」がGrand Prixに選ばれたのが象徴的な例です。
喜びや感動、場合によっては恐怖まで・・・
他の部門よりも社会的問題の解決力を求められるからこそ、
見る人の感情を揺り動かすことがより重要だということなのでしょうか。



「広告賞」という肩書を無くしたCannes Lionsにとって象徴的な部門であるLions Health。
他新設の部門と併せ、今後の動向もさらに注目です!




なお、会期中、ピラミッドフィルムグループではオープンハウスを運営しています。

■通常運営
カンヌ現地時間:2016年6月19日(日)〜6月25日(土) AM10:00~PM19:00
※カンヌライオンズ2016開催期間中、毎日スペースを解放しています。
弊社スタッフが常時対応。
フリーWifi利用/各種充電機器の貸し出し/トイレ使用/ドリンクサービスなどご自由にお使いいただけます。


■カンヌ2016セッション&パーティ開催
現地時間:6月23日(木)18:00〜Mid Night


■会場
13 Square Merimee 06400 Cannes(建物4階)
(https://goo.gl/maps/Ww4amYUyeLD2)

詳しくはこちらにてご紹介しています。
みなさまのお越しを、お待ちしております!